IT'S SHOWTIME!!
私が観たライブや演劇の感想(REVIEWなどではなく、あくまでも感想・笑)を中心とした日記です。
昔のものはWeb日記や記憶を元にちょこちょこと書き込んでいますが、
未記入のものも多いですし、古いほどいい加減です(^^;
また、ネタバレもありますので、お気をつけ下さい。

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tatsuya −最愛なる者の側へ−
紀伊國屋ホール/G列10番

作/鐘下辰男  演出/茅野イサム  メインテーマ作曲/佐藤太(BQMAP)、竹下亮  舞台美術/金井勇一郎  舞台監督/宇佐美雅人  照明/林順之(ASG)  音響/青木タクヘイ  衣装/小原敏博  ヘアー&特殊メイクアップ/アトリエ レオパード  演出助手/大江祥彦  美術助手/小畠賢二  舞台監督助手/藤井伸彦、森谷亜紀子、尾崎裕  プロデューサー/松田誠  製作/ネルケプランニング  票券/サンライズプロモーション
出演/津田健次郎、伊藤裕子、鈴木省吾、大口兼悟、和田正人、月ゴロー(渡辺修改め)、松本忍、岩下政之、横田紘一、前田直希、野中翔太

<STORY> ハシモトタツヤ、19歳。本籍・北海道網走市呼人番外地。網走で母親に捨てられ、貧困のどん底を生き抜き、集団就職で上京してきた。学生デモが繰り広げられる混乱の街・新宿。彼の周りに渦巻くのは理不尽な差別と凄まじい暴力、そして裏切り…。絶望の中、手にピストルを握り締めるタツヤの脳裏をよぎるのは、笛のようにこだまする風の音と容赦なく打ち寄せるオホーツクの海だった。
高度経済成長期の日本で実際に起きた19歳の少年による連続射殺事件「永山則夫事件」を題材にした作品。

※ 永山則夫事件とは
北海道・網走に生まれた永山則夫は家庭にも恵まれず、極貧生活を過ごした。中学卒業後、集団就職で上京するが、どれもうまくいかず、職も居場所も転々とする。昭和43年、19歳の永山は米軍基地に侵入し、銃を入手。東京プリンスホテル内の敷地内に野宿するのをガードマンに見つかり、盗んだ銃で射殺。その後、京都、函館、名古屋と逃走する途中で3人を射殺し、翌年に逮捕される。獄中ではいくつか著書を記している。長期の裁判を経て、平成9年に死刑執行。
チラシにあった
「演劇企画集団 THE・ガジラ」主宰の鐘下辰男の代表作。高度成長期の日本で起きた、19歳の少年による連続射殺事件「永山則夫事件」を題材にした舞台。1991年の初演後、繰り返し上演されている。同作品は高く評価され、1992年に文化庁芸術選奨 文部大臣賞 新人賞受賞を受賞している。
という言葉に惹かれて、観劇することにした。
以前、関連書籍(多分、佐木隆三著「死刑囚 永山則夫」だと思う)を読んだことがあって
あの事件をどのように捉え、舞台化しているのかに興味があったから。
結論から言えば、やっぱり彼を理解出来なかった。
本人が『貧しかったから、無知だったから罪を犯した』というようなことを言っていて
確かに生い立ちなど同情できる点はあるけれど、それが罪を犯す理由にはなり得ないもの。
だから、このラストシーンにはとても違和感を覚えた。
タイトルにもある『最愛なるものの側へ』行くことで救われたということなんだろうけど
その前のボブ・ディランの「風に吹かれて」が流れたシーンで終わっていた方が逆に納得できたというか。
そう簡単に救われちゃいかんだろう、と思ってしまったのよね。
『罪を憎んで人を憎まず』とは言うけれど、言うは易く行うは難しでございます。

内容が内容なので緊迫したシーン(怒鳴り合い、暴力など)が多く
無意識のうちに息を詰めて観ていたようで、暗転の度に深いため息をついていた。
そんな中、唯一笑えたのが集団就職者の研修シーン。
津田さん以外は一見すると鈍そうなんだけど、意外や意外。
あのムチャクチャな運動をちゃんとこなしていて
一番付いていけてないのは津田さんだったわ。(舞台に出ずっぱりだから仕方ないか)
でも、後半は飽きてきて「早く話が進まないかな〜」と思いながら観てたけど(笑)

変な先入観があったのでやや不安ではあったけれど、役者さんもなかなか良かった。
少し残念だったのは和田さんのお腹(笑)と、鈴木省吾さんが仲間には見えなかったこと。
20歳近い年齢差があるから仕方ないんだけどね。
だったら無理に仲間にせず、兄貴分にしちゃえば良かったのにと思わないでもない。


事前に聞いてはいたけど、劇場の雰囲気はいつもとちょっと違う感じ。
ロビーにいる人はもちろん、いつも置いてあるチラシ用のラックがなかったり、
ファンと思しき人からの花が普通の芝居では考えられないほど並べられていたり
開演前に係員が何度も「携帯電話、時計のアラームなど…」と声を出していたり。
一番驚いたのは終演直後の賑やかな話し声。
まるで女子高に迷い込んだかのようで新鮮だったわ(笑)


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観劇 > 2006年 | posted by Naolin | comments (0) | trackbacks (0)